父が亡くなったと兄から連絡があった。
出かけようと、自転車に乗ってそのまま倒れて亡くなったとの事。
しかし…
私にはなんの感情もわいてこない…
ただただ冷静なのだ…
両親が離婚したのは、私が息子を身ごもってお腹が大きい時。いわゆる熟年離婚だ。
しかし、それまでも父はいつも家に帰る事はなく、たまにやってくる人だった。
思い出も、幼少期から私の中には指で数えるほどの思い出しかない。
父に可愛がって貰った記憶ほぼなく、記憶に残らない時の写真を見て確認する程度。
父を思い出すと、母のしかめ顔が一緒に思い浮かぶ。
生活の為に、離婚をずっと我慢していた母。
母は祖父から、男はもう少したてば落ち着くからと離婚をずっと止められてたそうだ。離婚が当たり前の今とは違う昭和アルアル話しだ。
母はいっそ死んでしまいたいと思った事もあったそうだが、子供の寝顔を見て、死ねないと眠れない夜を過ごしたらしい。
私が中学一年生の時、母がくも膜下出血で生死を彷徨った時も、
金はどうするんだよ!と術後の母に言ったという父。
最低な男…
葬儀は、父と血が繋がってるのか?繋がってないのか知らないが、父と暮らしていた人との子供?さん達がいて、全て仕切って進めてくれているらしい。
そんな父がいて、私が生まれてきた。
そして、そんなレアな家庭環境を過ごした事は、人生なかなか経験できる事ではないと今では思う事ができる。
だから…
父へ
生まれてこれたことに感謝します。
本当は、思春期に手紙を書いた事があるのですが、渡せませんでした。
それを渡せてたら、何か変わっていましたか?
子供の頃、足の爪を切ってくれたことがなぜだか私の記憶には残ってます。
子供の時はあなたの愛が欲しかったような気がします。
その思いを伝えられず残念ですが、伝えてもわかってもらえなかったのでは?と思う事が悲しいです。
でも、今とても冷静な感情でいられる事に感謝しています。
最後にふさわしい言葉がみつかりません。
では…
さようなら…